2012年4月4日水曜日

3-29>観客同士のコミュニケーションはプロ野球に学べ

第3章~参加・経験・コミュニケーションはステージ・ビジネス成功の鍵~<29>

イベントの満足度を高めるためのコミュニケーション。
それを誰と誰とのコミュニケーションなのか、分けてみると次の三つのパターンがあると思います。

第一は出演者と観客との、第二は観客と会場には来ていない観客の友だち・家族との、
そして第三が会場の観客同士のコミュニケーションです。

一と二は見当がつくと思いますが、第三の観客同士のコミュニケーションとは何か。

コンサートではコレダ!というものは見当たりませんが、あえて挙げれば、アキバ系アイドルファンの応援スタイル。

いわゆる「オタ芸」。あれが近いところでしょうか。

アイドルを応援するための「掛け声」とか「振り付け」をファンが組織だって行うという。
それが結果として観客同士のコミュニケーションになっています。

もっと大がかりな観客同士のコミュニケーションはプロ野球に見られます。
何かと言うと、観客がゲーム中に一斉にする行為、ある応援活動と言えばもうおわかりでしょう。

ウェーブがそうです。

さらに極めつけは阪神タイガースファンによる六甲おろしの大合唱と直後のジェット風船飛ばし。

会話という形ではないけれど、こうした応援も一つの観客同士のコミュニケーションの形といえます。
名付けるなら「パフォーマンス型コミュニケーション」とでもいいましょうか。

このような観客同士のコミュニケーションは一体感を生み、熱狂をもたらします。
社会学者デュルケムの言う、人にとって最高の快楽「集合的沸騰」がそこにはあります。

ゲームを見るだけなら家でも見られるのに、わざわざ球場まで足を運ぶのはなぜか。
観戦するというよりも、ごひいきチームをみんなで応援する一体感を味わいたいからです。
一度これを経験したら病み付きになる人は少なくないのでしょう。

そう考えてみると六甲おろしの大合唱とジェット風船飛ばしというプログラムを持つ阪神タイガースの観客動員が二〇〇五年からずっとリーグトップであることもうなずけます。
観客同士のコミュニケーションが濃厚で、ゲームに参加している感が最も強いからこその集客力といえそうです。

つまり、観客同士のコミュニケーションの濃厚さやボルテージの高さによって満足度が左右され、動員数に現れる、という法則が成り立つわけです。

そして、この法則はコンサートにも当てはまると思います。
ならば音楽会場でも出演者への応援・声援という形で、観客同士がコミュニケーションできるプログラムや参加できるプログラムを考案してはどうでしょう。

いっせいに紙ヒコーキを飛ばす藤井フミヤさんのライブように、アキバ系アイドルファンのオタ芸のように。

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