第3章~参加・経験・コミュニケーションはステージ・ビジネス成功の鍵~<20>
参加型・体験型のコンサートの話をもう一つ。ぼくが教鞭をとる名古屋芸術大学では、「ザ・ルネッサンス21」という、ちょっと変わったコンサートがあります。
演奏するのは「セントラル愛知交響楽団」というプロのオーケストラですが、学生が作ったオリジナル曲を、学生が企画・演出・運営する学生主体のコンサートです。
ある年このコンサートで観客参加型のプログラムが好評を得ました。
どういう企画かというと、コンサート来場者にテーマを提示。
そのテーマに対するメッセージを投稿してもらい、舞台のスクリーンで流すというもの。
開演前に用紙を配り、そこに書いてもらったメッセージを第一部が終わった時点で大急ぎで回収、それを学生たちが手分けしてパソコンに入力します。(携帯メールを使ってメッセージを送信してもらう方法も併用)
人海戦術ならお手の物という学生の強みを活かした企画です。
そうやって学生たちの手で入力された観客のメッセージが、第二部からステージのスクリーン上に次々とテロップで流されたのです。
このときテーマは二つ用意されていました。一つは「地球はなぜ回っている?」という問い。今回のコンサートのテーマである「地球」にちなんだものです。そしてもう一つは、「あなたの大切な人に伝えたい感謝の言葉」。
年の瀬のこのコンサートを、友人、家族、恋人に「今年もいろいろお世話になりました。ありがとうね」という気持ちを伝える場にしようと考えたわけです。しかもオーケストラが奏でる音楽つきで。
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