2012年4月4日水曜日

3-05>コンサートの「余韻に浸る時間」を提供して満足度を高める

第3章~参加・経験・コミュニケーションはステージ・ビジネス成功の鍵~<05>


「いねむりコンサート」は、すべての観客に音楽を同じように聴いてもらう従来のスタイルに固執せず、客席でまどろむもよし、ロビーで会食しながら楽しむもよし、と音楽の用途をいろいろ提案しています。

一つのコンサート、一つの会場にエンターテイメント空間もあれば、リラクゼーション空間もあり、コミュニケーション空間もある。観客はそれらの空間で自分なりの過ごし方を選べるのが、この「いねむりコンサート」というわけです。

では、それに習ってコンサート会場を「コミュニケーション・サロン=社交場」と位置づけたらどうか。演奏会が終わった後のロビーを使って。
演奏が終わるとそそくさと撤収。観客が余韻に浸る間もなく閉館。そういった主催者の都合優先になっているのを見直すのです。

なぜロビーをコミュニケーション・サロンにするといいのか。
理由はいろいろですが、その一つは観客の気持ちを考えればわかります。
コンサート中、観客はずっと黙って音楽を聴いています。
人はそういう会話のできない状態に長く置かれると、会話欠乏症の状態になります。

連れ合いの人や会場で出会った知人らとコンサートの後に語り合える場を用意し、コンサート後の「たむろする時間」、「余韻に浸る時間」を提供するのです。
それはコミュニケーションが欠乏した観客に潤いをもたらすひと時となり、観客の満足度を高める経験プログラムになります。アフターサービスといってもいいでしょう。
しかし残念ながら、ほとんどのコンサートにはそんな時間がないのが実情です。

ロビーで写真展を開くとなれば準備も大変でしょうが、会話と余韻を楽しむ時間を少しとってあげるくらいのことなら、そんなに難しいことではないはず。
そんな「たむろする時間」「余韻に浸る時間」をさらに有意義に使うこともできます。例えば、出演者と観客との「ふれあいタイム」にするとか。

言われるまでもなく気の利いた出演者はステージ終了後ロビーであいさつをしたり、観客といっしょに記念写真を撮ったりしています。そういうアフターサービスが「次」につながることを知っているからです。
そんな「ふれあいタイム」がきっかけとなって、CDの販売につながったり、ファンが増えたりするからです。
こうした「ふれあいタイム」もまた経験プログラムであり、コミュニケーション・プログラムです。
それを用意することで観客の満足度は高まります。当然、それが次回の集客を左右することになります。

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