第3章~参加・経験・コミュニケーションはステージ・ビジネス成功の鍵~<25>
最も身近で万能なコミュニケーション・ツールが携帯電話。
写真や動画も撮れ、録音もでき、さらにそのデータをメールに添付して送ることも簡単にできます。
そんな携帯によって観客に思い出作りをしてもらおうというユニークなコンサートもありました。
「スターダスト・レビュー」のデビュー25周年を記念したメモリアルコンサートです。
撮影・録画・録音がフリーというユニークなこの試みはメディアにもたくさん採り上げられ話題になりました。
そのステージの冒頭でボーカルの根本要さんが「記念です。写真を撮っちまおう。家宝ができたね!」とあいさつ。
その言葉を合図に、1万5千人の観客が一斉に撮影を始めたといいます。
もちろん携帯だけでなく、本格的なデジタルカメラと三脚まで持ち込んだ熱心なファンも少なくなかったようです。
これまでタブーだったコンサートの撮影・録画・録音をフリーにした理由はしごく明快です。
「ファンが喜んでくれる」こと、「観客の思い出作りになる」ことを優先したのです。
その後、こうした撮影・録音フリーのコンサートは少しずつ増えています。
歌手の一青窈さんも六本木ヒルズアリーナの野外ライブを撮影・録音フリーにしています。
ファンあってのミュージシャン。そう考えれば、撮影・録音をタブーとする必要はないわけですし、またフリーにすればソーシャルメディアやメールで人から人へと伝わっていきます。ファンが勝手に宣伝してくれるのです。
インターネットによる口コミは絶大な宣伝効果があります。
だったら、それを狙う。それもコミュニケーション・デザインです。
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